これまで扱ってきた路線の多くは「まだ終わっていない」計画でしたが、今回は珍しく「実際に開通し、効果が出ている」路線を取り上げます。交通効率への寄与という観点で、分かりやすい実例です。
この道路、何がどうなってるの?
放射第7号線は、都心(千代田区九段北)と関越自動車道・東京外環自動車道の大泉インター付近を東西に結ぶ、延長約2kmの都市計画道路です。都道8号・24号「目白通り」の延伸にあたります。
計画決定は1946年(昭和21年)3月。戦後復興都市計画の一つとして、80年近く前に決まった計画です。その練馬区大泉学園町二丁目〜西大泉五丁目の西側区間が、2025年2月16日に暫定開通しました。
何が達成されたか
この開通によって、既に開通済みの延伸区間(西東京3・3・14号)を経由し、多摩地域を南北に縦貫する都道233号・234号「伏見通り」と、目白通りが接続されました。都心方面から関越道・外環道大泉ICへのアクセスが改善されたことになります。
道路の構造にも工夫があります。幅員25mのうち車道は11mですが、歩道が上下に各7m確保され、街路樹で分離された自転車道も整備されました。見通しの良い直線形状です。
交通効率への寄与
この路線が典型的に示しているのは、「幹線道路を1本通すことで、生活道路への車の流入を減らせる」という効果です。周辺には住宅やスーパーが立ち並ぶ「したみち通り」という生活道路があり、車の通行量が多い時間帯には歩行者や自転車が通りにくい状況がありました。放射7号線の開通によって、この生活道路への車両流入が減少すれば、車と歩行者、車と自転車、あるいは自転車と歩行者の事故リスクが軽減される効果が期待されています。
これは、これまでのコラムで扱ってきた「防災(延焼遮断帯)」目的の路線とは異なる、「交通効率化による生活道路の安全性向上」という、また別の角度からの整備効果です。骨格道路を整備することで、結果的に生活道路の交通量を減らし、身近な道の安全性を高める、というロジックは、都市計画道路の意義を考える上で分かりやすい実例だと思います。
何が問題なのか
1. 80年の間、なぜこの区間だけ実現しなかったのか 1946年の計画決定から2025年の部分開通まで、約79年です。この間、周辺の宅地化は進み、用地取得や住民合意の難易度は上がり続けたはずです。早期に整備していれば得られたはずの効果(生活道路の安全性向上など)が、その分だけ長く先送りされてきたことになります。
2. 「暫定開通」の意味 今回開通したのはあくまで西側区間の一部です。全面開通に向けては、まだ残る区間の整備が必要とみられます。効果を最大化するには、残区間の進捗も併せて見ていく必要があります。
まとめ
放射7号線は、都市計画道路が実際に開通し、交通効率化と生活道路の安全性向上という具体的な効果を上げつつある実例です。「なぜ道路を作るのか」を考えるとき、防災だけでなく、こうした交通効率・安全性の観点も重要だということを示す事例として、今後も残区間の進捗を追っていきます。
参考情報源:JAF Mate Online、東京都建設局公表資料、練馬区公式サイトを基に構成しています。